こんにちは、カフです!
今回は、アニメ『呪術廻戦』2期のED曲であるCö shu Nieさんの『give it back』の歌詞の意味を考察&解説していきます。
エンディングの映像美とCö shu Nieさんの儚い音楽がマッチしていて、心が浄化されるような気持になりますね。
Cö shu Nieさんのこのコメントを軸に、『give it back』にどんなメッセージが秘められているのか見ていきましょう。
今回考察するにあたって、以下2点に注目しました。
抽象的な言葉が並ぶので、先に2つの説明をしてから歌詞の考察に入ろうと思います。
まず1つ目のキーワードすべてを許し、愛していくについて説明します。
これは、ちょうど1年前くらいにCö shu Nieさんがインタビューを受けていた時の記事を参考にしたものです。
いわゆる理想と現実のギャップってありますよね。
プロ野球選手になりたいという夢があるけど、それが叶えられるほどの技術がないとか。
精神的な部分で言えば、人に優しくなりたいけど、小っちゃいプライドや感情が邪魔してひどい扱いをしてしまうとか。
言い出せばキリがないくらい、人はたくさんの理想と現実の狭間を生きています。
そのなかで、理想の自分になれない現実の自分を否定的に捉えるのはごく自然なことですが、違う自分を許して愛していけるようになれたら、すごく大きな変化であるはずです。
ここで言う「許すこと」とは、惨めな自分から目を逸らして変わろうとしないことではありません。
むしろその逆で、そんな自分がいることを認めて、その自分を生活の中に溶け込ませることだと思います。
普通に暮らしていたはずの高校生が“両面宿儺の器”という未知なる恐怖と大きな使命感を目の前に、それらを認め、自分の中で飼い慣らし、歪な自分を受け入れるということは、まさしく主人公である虎杖隆二が体現しています。
また虎杖隆二に限らず、釘崎野薔薇が東京に来た理由や、禪院真希が呪術高専で呪術を学ぶ理由など、それぞれに理想と現実のギャップがあって、それを克服するために今の自分を許しているその態度は、私たちが見習うべきところですね。
これもまたCö shu Nieさんのコメントですが、『呪術廻戦』に通ずるものがあります。
怒りや恨みという負の感情をコントロールできない非術師たちは、無意識のうちに墓地や学校、病院などに呪いを蓄積させてしまいます。
それに対して、呪いの本質を理解している術師たちはそれを利用し、人々を救い温めるために動いています。
理想の自分、それとは程遠い現実の自分、あるいは怒りを溜めた自分。
全部の自分を受けとめることはとても覚悟のいることですが、大切な自分自身を大切にしていくために必要な過程なのかもしれません。
次に2つ目のキーワード理想と現在を繋ぐ“自分”について説明します。
ここは、1つ目のキーワードの延長線上の話なので、歌詞考察の中で詳しく話します。
サビの部分で「give it back」という言葉が登場しますが、最後のサビでは「give it a shot」に変わっています。
それぞれ直訳すると、
“give it back”は、それを返して。
“give it a shot”は、試しにやってみよう。
という意味になります。
つまり、前半では「焦がれた夢」を取り戻したいという気持ちが叫ばれていますが、後半では今目の前にある希望に真摯に向き合う姿が描かれています。
キーワードの模索はこれで終わります。
これら2つのキーワードを念頭に置いて読み進めていくと、これからの歌詞考察がより理解しやすいと思います。
寂しいよ
主人公は夢と理想の区別がついていません。
主人公が失ってしまったかけがえの無いもの。(これまでの暮らし、大切なひと…など)
それらは、眠りについて夢の中で見れば決して失わないと主人公は信じています。
同じ夢を 願うほどに 冴えていくよ
しかし、夢の中にいるということは、前述したように今の自分から目を背けて変わろうとしないことと同義です。
だから、夢に浸ろうとすればするほど、現実はその逆を進むようになってしまいます。
そのことがこの歌詞に示されていますね。
後半の歌詞では、周りの優しさに触れた主人公が夢と理想の違いに気づくことができます。
夢の続きを 捕まえにいくから 待ってて
今の惨めな自分を認め、理想に近づくために、主人公は夢を自ら手放します。
つまりここの「夢の続き」というのは、眠ることで物理的に見る夢ではなくて、今の自分を変えることで現実を「夢のような理想のもの」に昇華しようとしているのです。
手を握っていよう
迷わないように 明日からまた
選んだ道を進めるように
夢を手放した主人公は、周りの仲間とともに一歩ずつ進むことを決意します。
そうすることで、これまでは離れていくばかりだった理想と現在の自分を繋ぎ合わせることができたのです。
ここまで、『呪術廻戦』の物語の繊細な部分に呼応したCö shu Nieさんの『give it back』の歌詞の意味を考察&解説してきました。
私は『give it back』に込められたメッセージが、冒頭で引用した『呪術廻戦』1巻第3話での学長と虎杖隆二の会話に凝縮されていると解釈しました。
アニメだと第2話に彼らの会話が描かれているので、ぜひもう一度ご覧ください。
これを読んだ後だと、少し受け取り方が変わるような気がします。
いかがでしたか?
質問やリクエスト、違う解釈の可能性などありましたら是非コメントで教えてください。
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最後まで読んでいただきありがとうございました
今回は、アニメ『呪術廻戦』2期のED曲であるCö shu Nieさんの『give it back』の歌詞の意味を考察&解説していきます。
エンディングの映像美とCö shu Nieさんの儚い音楽がマッチしていて、心が浄化されるような気持になりますね。
呪術廻戦は、一週間の長さを恨めしく思いながら毎週楽しみに拝読していて、心を動かされる純粋な喜びと同時にインスピレーションも沢山得た大好きな作品です。だから、EDを作らせて頂くことに決まったときはCö shu Nieみんなでバンザイをして喜びました。(呪術廻戦オフィシャルサイト より引用)
この作品の繊細で愛おしい部分と呼応するように生まれた曲が、“give it back”です。
どうかこの曲が、呪術廻戦を味わった皆さまの心をさらに温められますように。
Cö shu Nieさんのこのコメントを軸に、『give it back』にどんなメッセージが秘められているのか見ていきましょう。
1.キーワードの模索
今回考察するにあたって、以下2点に注目しました。
POINT
・すべてを許し、愛していく
・理想と現在を繋ぐ“自分”
抽象的な言葉が並ぶので、先に2つの説明をしてから歌詞の考察に入ろうと思います。
まず1つ目のキーワードすべてを許し、愛していくについて説明します。
これは、ちょうど1年前くらいにCö shu Nieさんがインタビューを受けていた時の記事を参考にしたものです。
それは的を得ているかもしれないです。「こうあるべき」なんていうことで片付けられないくらい、人間にはいろんな面がありますよね。「こうなりたい」とか「こうあろう」というものはあっても、そうじゃない自分だって絶対にいる。そのすべてをちゃんと許していきたいし、愛していきたいなと思うんです。違う自分や、いびつな自分を認めるという意味でも、表現の中にいろんな声やいろんな旋律、いろんなコード進行を必要としているのかもしれないです。そうすることでどんどん違う自分を出していきたいし、私だけじゃなくてみんなにも絶対いろんな自分があるから。(Cö shu Nie「PURE」インタビュー|完璧じゃない自分から生まれた1stアルバム より引用)
いわゆる理想と現実のギャップってありますよね。
プロ野球選手になりたいという夢があるけど、それが叶えられるほどの技術がないとか。
精神的な部分で言えば、人に優しくなりたいけど、小っちゃいプライドや感情が邪魔してひどい扱いをしてしまうとか。
言い出せばキリがないくらい、人はたくさんの理想と現実の狭間を生きています。
そのなかで、理想の自分になれない現実の自分を否定的に捉えるのはごく自然なことですが、違う自分を許して愛していけるようになれたら、すごく大きな変化であるはずです。
ここで言う「許すこと」とは、惨めな自分から目を逸らして変わろうとしないことではありません。
むしろその逆で、そんな自分がいることを認めて、その自分を生活の中に溶け込ませることだと思います。
「宿儺を喰う」(『呪術廻戦』1巻第3話自分のために より引用)
それは俺にしかできないんだって
死刑から逃げられたとして、この使命からも逃げたらさ
飯食って、風呂入って、漫画読んで
ふと気持ちが途切れた時
「あぁ今宿儺のせいで人が死んでるかもな」って凹んで
「俺には関係ねぇ」「俺のせいじゃねぇ」
って自分に言い聞かせるのか?
そんなのゴメンだね
自分が死ぬ時のことは分からんけど
生き様で後悔はしたくない
普通に暮らしていたはずの高校生が“両面宿儺の器”という未知なる恐怖と大きな使命感を目の前に、それらを認め、自分の中で飼い慣らし、歪な自分を受け入れるということは、まさしく主人公である虎杖隆二が体現しています。
また虎杖隆二に限らず、釘崎野薔薇が東京に来た理由や、禪院真希が呪術高専で呪術を学ぶ理由など、それぞれに理想と現実のギャップがあって、それを克服するために今の自分を許しているその態度は、私たちが見習うべきところですね。
例えば怒りの感情があって、それを他人にぶつけたところで悲しみやつらさしか生まれないけれど、怒りでも表現に変えることができたら、人を温めるものになると思う。(Cö shu Nie「PURE」インタビュー|完璧じゃない自分から生まれた1stアルバム より引用)
これもまたCö shu Nieさんのコメントですが、『呪術廻戦』に通ずるものがあります。
怒りや恨みという負の感情をコントロールできない非術師たちは、無意識のうちに墓地や学校、病院などに呪いを蓄積させてしまいます。
それに対して、呪いの本質を理解している術師たちはそれを利用し、人々を救い温めるために動いています。
理想の自分、それとは程遠い現実の自分、あるいは怒りを溜めた自分。
全部の自分を受けとめることはとても覚悟のいることですが、大切な自分自身を大切にしていくために必要な過程なのかもしれません。
次に2つ目のキーワード理想と現在を繋ぐ“自分”について説明します。
ここは、1つ目のキーワードの延長線上の話なので、歌詞考察の中で詳しく話します。
サビの部分で「give it back」という言葉が登場しますが、最後のサビでは「give it a shot」に変わっています。
それぞれ直訳すると、
“give it back”は、それを返して。
“give it a shot”は、試しにやってみよう。
という意味になります。
つまり、前半では「焦がれた夢」を取り戻したいという気持ちが叫ばれていますが、後半では今目の前にある希望に真摯に向き合う姿が描かれています。
キーワードの模索はこれで終わります。
これら2つのキーワードを念頭に置いて読み進めていくと、これからの歌詞考察がより理解しやすいと思います。
2.歌詞考察&解説
暖かい 涙で ふいに目覚めた焦がれた 夢の続きは 何処にあるの
焦がれた 夢の続きは 何処にあるの
寂しいよ
Please, give it back
いつになれば楽になれる
押しては返す波に抗って
白い枕に 寝ぼけたままの顔を 埋めて
同じ夢を 願うほどに 冴えていくよ
Please, give it back
代わりなんていないよ
あなたの匂い 思い出せない 波に攫われて
『give it back』/Cö shu Nie
寂しいよ
主人公は夢と理想の区別がついていません。
主人公が失ってしまったかけがえの無いもの。(これまでの暮らし、大切なひと…など)
それらは、眠りについて夢の中で見れば決して失わないと主人公は信じています。
同じ夢を 願うほどに 冴えていくよ
しかし、夢の中にいるということは、前述したように今の自分から目を背けて変わろうとしないことと同義です。
だから、夢に浸ろうとすればするほど、現実はその逆を進むようになってしまいます。
そのことがこの歌詞に示されていますね。
夢の続きを 捕まえにいくから 待ってて
いつの間にか 孤独ぶるには 優しさに触れすぎた
沁みてく 顔上げてみようか
ひとりじゃないって 信じてみたい
信じてみたいの
give it a shot
生まれたばかりの淡い光に
希望を見たの 胸が熱いよ
手を握っていよう
迷わないように 明日からまた
選んだ道を進めるように
『give it back』/Cö shu Nie
後半の歌詞では、周りの優しさに触れた主人公が夢と理想の違いに気づくことができます。
夢の続きを 捕まえにいくから 待ってて
今の惨めな自分を認め、理想に近づくために、主人公は夢を自ら手放します。
つまりここの「夢の続き」というのは、眠ることで物理的に見る夢ではなくて、今の自分を変えることで現実を「夢のような理想のもの」に昇華しようとしているのです。
手を握っていよう
迷わないように 明日からまた
選んだ道を進めるように
夢を手放した主人公は、周りの仲間とともに一歩ずつ進むことを決意します。
そうすることで、これまでは離れていくばかりだった理想と現在の自分を繋ぎ合わせることができたのです。
3.編集後記
ここまで、『呪術廻戦』の物語の繊細な部分に呼応したCö shu Nieさんの『give it back』の歌詞の意味を考察&解説してきました。
私は『give it back』に込められたメッセージが、冒頭で引用した『呪術廻戦』1巻第3話での学長と虎杖隆二の会話に凝縮されていると解釈しました。
アニメだと第2話に彼らの会話が描かれているので、ぜひもう一度ご覧ください。
これを読んだ後だと、少し受け取り方が変わるような気がします。
いかがでしたか?
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最後まで読んでいただきありがとうございました